
一本の映像作品を、どこからどう見るか。
それがたとえVRという形を取り、特定のジャンルにカテゴライズされるものであっても、私は常に、その背後にある「意図」と「表現」に目を向ける。
今回、私が取り上げるのは、SNSで大いにバズったという一本のVR作品だ。伊藤舞雪、その名が示す存在感は、単なる表層的な話題性では語りきれない深みを秘めている。
「【VR】シャンプー風景がエロすぎてエロビデオやん!とSNSで大バズりしたゆるゆる谷間&ミニスカで集客するメンズカット専門美容師MAYUKIが動画で見るよりエロすぎて勃起せずにはいられない 伊藤舞雪」
タイトルからして扇情的だが、冷静に鑑賞すれば、これは短編映画として観るべき価値を持つ。観客を意図的に引き込み、じわじわと感情を揺さぶる計算された構成。
私が今回解き明かしたいのは、その「魅せ方」の真髄だ。
導入:一本の短編として見る
この作品を初めて目にした時、私はまず、そのパッケージデザインに目を奪われた。
タイトルが示す情報の洪水とは裏腹に、ジャケットに映る伊藤舞雪は、どこか挑発的でありながらも、プロフェッショナルな顔立ちを崩さない。美容師のユニフォームを纏い、カメラ、すなわち観客の視線を真正面から受け止めるその眼差しには、単なる愛嬌だけではない、確かな自信と誘惑が宿っている。
彼女は、この物語の主人公であり、同時に観客をこの世界へと誘い込む案内人だ。VRという形式が、この「誘い」をよりパーソナルなものへと昇華させる。
私たちは、この瞬間から、彼女が織りなす空間の一部となることを予感させられるのだ。
世界観:光・構図・沈黙
物語は、ごく自然な導入から始まる。画面に広がるのは、清潔感のある美容室の空間。そこに彼女が現れる。
こちらに語りかける彼女の表情は、あくまで明るく、親しみやすい。だが、その視線の先に映る、ほんのりとした微笑みの中に、この後の展開を予感させる、微かな「何か」が仕込まれている。
この作品の秀逸な点は、決して性急にエロスを提示しないことにある。むしろ、丁寧に世界観を構築し、観客をそのムードへと緩やかに誘い込む。光の使い方は絶妙だ。

